2024年04月16日
外壁シーリングは建物の外壁と外壁の間に施されるシーリング材で、建物を雨水の浸入から守る重要な役割を果たします。
しかし、このシーリング材には耐用年数があり、定期的な点検とメンテナンスが必要です。
今回は、外壁シーリングの耐用年数とその劣化症状について解説します。
□外壁シーリングの耐用年数
外壁シーリング、特に外壁塗装の耐用年数について誤解を持つ方が少なくありません。
一般的に、外壁塗装の耐用年数は10~20年とされていますが、中には「30年もつ」と宣伝する業者も存在します。
しかし、実際には大半の塗料の耐用年数が30年を超えることは稀で、そのような営業トークは疑問を持つべきです。
1:正しい耐用年数の理解
耐用年数は、製品が一定の性能を保持する見込みの期間を指します。
しかし、これが「全く劣化しない期間」と誤解されがちです。
実際には、耐用年数内であっても環境条件により劣化は発生します。
特に、日本のように台風が頻繁に来襲する地域では、より早期にメンテナンスの必要性が生じることもあります。
2:国税庁が示す耐用年数
国税庁では、建物の法定耐用年数を示していますが、外壁塗装に直接適用されるわけではありません。
それでも、建物全体の耐用年数を基に外壁のメンテナンス周期を考えることは有効です。
例えば、木造住宅で20~24年、木骨モルタル造で19~22年とされています。
□外壁シーリングの劣化症状
外壁シーリングの劣化は、時とともに必然的に発生します。
劣化のサインを見逃さないことが、建物を守る上で重要です。
*ブリード現象
ブリード現象は、コーキングが黒っぽく変色し、べたつきを伴う現象です。
これは、コーキング内の可塑剤が原因で、外観の損ないだけでなく、耐久性の低下にも繋がります。
この現象は、施工後1~2年で見られることが多いため、早期の対応が求められます。
*硬化・肉痩せ
コーキングが硬化し、その弾力性を失うことも一つの劣化サインです。
紫外線や風雨による収縮を繰り返すうちに、油分や水分が抜け、肉痩せが発生します。
これにより隙間が生じ、雨水の浸入を許しやすくなります。
*ひび割れ・剥がれ
更なる劣化の進行で、コーキングにひび割れが生じ、最終的には剥がれ落ちる「剥離」が発生します。
これは、外壁材の下地が露出し、雨水が直接浸入する深刻な状態です。
白アリの侵入や内部の腐食など、建物に深刻なダメージを与える可能性があります。
□まとめ
外壁シーリングのメンテナンスは、その耐用年数と劣化のサインを正しく理解することから始まります。
一般的に耐用年数は10~20年ですが、実際のメンテナンスのタイミングは建物の環境や使用状況によって左右されます。
劣化の初期サインを見逃さず、適切な時期にメンテナンスを行うことで、建物を長期間保護できます。
外壁シーリングの健全性は、快適な住まいを維持するために不可欠です。